このレビューはネタバレを含みます
セット、CG、広大な土地。
ライティングもポスト処理も。
映像が綺麗。
フランス革命後の民衆の心理の描き方、街のそこかしこで行われる煽動の描写。
知識の浅い自分でもその辺りに感じるところはある。
とても見応えのある作品ではある。
作中で表現されるナポレオンは野心的で策士だが、実戦では大した腕前はなく、意図的に少し情けなく見せている。
それが史実どおりなのかは知らないけど、長尺で人と時代の変貌を描く上でそう表現したかったのかなと感じた。
戦争中もひたすら妻へのラブレターを送り続け、離婚後も執着する姿。
妻側の意図と、葛藤。
このもやっとした憂鬱を表現したかったのだろうか。
跡取りを残したいができなかったり、めちゃくちゃ淡白な性行為のシーンなど、直接関係はないものの『最後の決闘裁判』から何か一貫して描きたい感覚がありそうだが、明確に語ることを控えているように感じる。
総じて作品になにか意図を込めてそうな気配はぷんぷんするものの、そないにそれを感じられなかった。