チョマサ

ペットのチョマサのネタバレレビュー・内容・結末

ペット(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画は凄かったなー。ここまで脈絡がない映画は、見たことがなかった。お話を振り返っても、何があれでどうなったのかとか、全然一連の流れを思い出せないもの。でも、カンフーシーンとかソーセージ工場とか、最後の沈んでいく車からの脱出シーンとか、昔の飼い主に会いに行く場面とか、それぞれ個別の場面はよく覚えてるし、どれも面白かった。

ソーセージ工場で腹いっぱいソーセージを食べるシーンとか、嬉しすぎて夢見心地になって、本人たちはソーセージの国に行ってる様な気分なのが映るんだけど、前後と違い過ぎてトんでるんじゃないかと思った。

声をあててる中尾さんのノリノリの演技のおかげもあって、ウサギのスノーボールが、一番印象に残ってるんだけど、このスノーボールが最後は結局女の子に拾ってもらって、安心した表情を見せるのがかなりいい。最後のたまり場になんだかんだで地下の下水道に住んでた野良たちがいっしょに踊ってるハッピーエンドもよかった。ホントに何を言ってるかよく理解できないけど、様子がすごくかわいかったりする。どの動物もそういうところがあっていい。

この映画はとまるようなところが全然なくて、殆どアクションシーンで出来てたように思う。キャラクターもみんな本能で動いて、思ったことをやるだけって感じで、理性的に止めたりするやつが一匹もいなかった気がする。主役のマックスだって自意識過剰だよな。

ビルを登るシーンやポップスと秘密の場所に会いに行くシーンも、ゆっくりな場面だけど、ピタゴラスイッチみたいな眼で観る面白さがあった。空を飛んだり、ニューヨークをぐんぐん動いてみていく場面とか、カメラを動かす場面がたくさんだったな。
もちろんカーチェイスとか地下水道を逃げ回るシーンなんか、速くて派手で酔いそうになるくらい。

トイ・ストーリーみたいに家に帰る映画かと、最初は思った。結局はペットもそういう話なんだけど、トイ・ストーリーは、人間ドラマを積み重ねて、最後は協力して目的を達成するような展開だった。
ペットは、終わってみればなぜだかうまく治まりましたって印象だった。ほんとにお話はあるんだけど、怒涛の勢いで進んでいくもんだから、翻弄されっぱなしで理解が追い付いてない。

動物映画で、今年はズートピアを見たけど、あれって本当にお話を考え込んで作ってたんだなー。いやペットも、感心しました。こういうストーリーテリングってあるんだって。凄い映画です。こんなにジェットコースターな映画はそうそうないと思う。

正直、見ていてだれる所もあったんだけど、この勢いに打ちのめされたので星5をつけました。

ケイティは、ベッドに枕が二つあったのと、ベッドの大きさから、彼氏がいたけど別れて、反動で動物を飼い始めたりしたのかなとか、動物好きが高じて彼氏と別れたとか、変なことを妄想した。
チョマサ

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