Kamiyo

シークレット・アイズのKamiyoのレビュー・感想・評価

シークレット・アイズ(2015年製作の映画)
3.5
2016年"シークレット・アイズ" 監督.脚本ビリー・レイ
ニコールキッドマンとジュリアロバーツの真逆な設定の華やかな共演

犯罪が起こった13年前と現在がしょっちゅう交錯するため、ところどころ混乱させられる

9・11後の対テロ捜査に重点が置かれている頃のロスのFBIで、
捜査官ジェス(ジュリアロバーツ)の娘がレイプ殺人に見舞われる悲劇が起きる。
13年の歳月が過ぎ、FBI黒人捜査官レイ(キウェテル・イジョフォー)がロスに戻って来て、
この未解決の事件の犯人逮捕に執念を燃やす。
この失われた13年が非常に重い。
検事に昇格したクレア(ニコール・キッドマン)に対するレイの恋情は時間に流されずに持続。
人種の壁もある。ここも重苦しい。
13年間でクレアは結婚し、レイの結婚は破綻。
クレアの夫は常にレイの影を見続ける。

ニコールは相変わらず年齢を超越した不自然なまでの美貌で男を引き付ける。
彼女の一番の見せ場は、犯人を自白させるため色仕掛けで挑発する場面。クールビューティの真骨頂と言えるだろう。

それとは対照的なジュリア・ロバーツ。プリティ・ウーマンなどかなぐり捨て、すっぴんのボサボサ髪で、このうえなく地味な女性捜査官を演じる。苦しみのあまり目が落ち込み、顔の骨格もあらわになるくらい陰影のある顔。演技というにはあまりにリアルな母親の姿を見事に演じていた。

ラストの20分が
いざその時が来たら、何かが足りず少し違和感が。
まさか…?からの驚愕のラストも良かったですね。
ラストは賛否両論あるでしょうが、難しいところですね…。
確かに鑑賞時には、え…そうするの!?とは思いましたが、
レイは過去にも殺す提案をしていましたし。
あとあと考えるとジェスを憎しみ、
そして憎しみ続けることの苦しみから解放してあげる方法
としては一番の選択だったかと思います。
ジェスも最後少し微笑んでいるように見えました。

アカデミー賞外国語映画賞受賞作「瞳の奥の秘密」をハリウッドリメイクした本作。
殺された娘の母親ジュリアロバーツと中立の立場にある検事補ニコール・キッドマンという複雑な心境を汲み取り感情表現豊かに演技した二人の女優の数少ない注目どころ。
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