思えばこれが、初めての
“出演者・舞台挨拶”を体験した
映画でした。
谷口稜曄さん。
16歳の時に長崎で被爆し、
2017年8月30日にお亡くなりに
なるまで、核兵器廃絶を訴え
精力的に活動されていました。
80年代に入っての
「10フィート映画運動」により、
アメリカに眠っていた原爆被害の
記録フィルムが日本に買い戻され、
記録映画『にんげんをかえせ』と
『予言』が完成。
この映画を観たのは1983年、
中学校の行事で。
序盤、病院で診察を受ける谷口さん。
その背中は赤く爛れ、胸は抉れ、
観る者に強烈な印象を与えます。
その後に続く、被害映像の数々。
…しかし我々にとって、この時点では
まだ、スクリーンの中での出来事。
これらが紛れも無い「現実」である事を、
生き証人である谷口さんが、檀上から
「生の声」で我々に語り掛けたその時、
場の空気は一変したのです。☆
「被爆者が1人も居なくなった時、
どんな形になっていくかが怖い」
…生前最後のインタビューで、
谷口さんはそうおっしゃっていました。
先日、35歳の若い議員からは
「北方四島を戦争で取り返す」
などといった超問題発言も
飛び出した事ですし。☆