雪洞

殿、利息でござる!の雪洞のレビュー・感想・評価

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
3.6
(あらすじ的な何か)

仙台藩にある吉岡という宿場町では凶作などが続き、貧しさに喘いでいた。
そんな中、一人の男 篤平治の提案で、穀田屋たち宿場町の男が立ち上がる。
現代でいうところの約三億円以上のお金を集め、藩に貸し出すことで利息を得るという計画。
男たちは己の私財を投げ打ち、お金集めに奔走するのだった。









(感想)
「殿、利息でござる!」という題と、阿部サダヲが主演だという組み合わせに、盛大なコメディだと思っていた。
かと思いきや、とても引き込まれる熱い話だった。
しかも実際に250年近く前にあった出来事だという。見始めた時は全く内容を知らず、軽い気持ちでみたが、なかなかに面白い。

タイトルの割に笑える面白さが満載というわけではなかったけれど、所々笑いありつつ、人情と百姓たちの意地、人の温かさが溢れていた。
初めは我が身が可愛かったり、名を売りたい、お金を設けたい、と考えていた男たちも、穀田屋や浅田屋の思いを知っていく中で、気持ちが変わっていく。

穀田屋十三郎は実在した人物なので、たまたまだとは思うけれど、竹内裕子の「だったら十三郎さんが貰ってくださいよ」というセリフと言い回しが何故か「ランチの女王」という昔のドラマを彷彿させて笑えた
 笑

この阿部サダヲ演じる穀田屋十三郎の「穀田屋」は今もその流れを引いた店が宮城県にあるのだとか。
この映画が実話であったことも、そしてまだ現代に形と残っていることも嬉しい。
映画から、こういった歴史を知れることは、映画の醍醐味だなと思う。
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