嶽花征樹

シン・エヴァンゲリオン劇場版の嶽花征樹のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大学生の頃にテレビ放送見てたので、30年近くたって、見事な完結を見れて感無量です。今まで冷水を浴びせられるような展開ばかり見せつけられてたので、当作終盤で過去作のオマージュ的な演出見せられたときは、自称訓練されすぎた(=めんどくさい)ファンであるので、割とスムーズに覚悟完了して心をATシールドで防御してたんですが、終わってみれば危惧してたような展開はなくて、実にきれいに終わって驚きました。

ラストあたりの過去作をちりばめるのって、最初は意地悪な演出だと思ったんですが、今思えば、カオル君が何度も何度も世界をやり直した=劇場作品のそれぞれの世界をやり直した、って事を示した演出だったのかもしれません。

ミサトさん、あんたシンジ君に頑張れ言うたよな? カオル君が来たからニアサードインパクト回避できたんじゃなかったの? というみんなが思ってる疑問も、実は破→Qに至る展開すら、実は全く同じ世界ではなかったのかもしれません。それは我々観客すら把握できず、なんども:||をしてすべてを見てきたカオル君しか分からない事なのかもしれません。

いろいろ印象深いシーンが多くありましたが、ゲンドウが「これは暴力と恐怖で終わらせる戦いではない」と言っていたのが一番心に残りました。そのあとで一瞬だけ見れる、息子に対する優しい目線。今は自分も一児の父なので、その瞬間はうるっと来てしまいました。

作品そのものとは関係ないんですけど、個人的な経験も書いておきます。今回はネタバレも見ず、周りでポップコーンを食べる害悪な客もいなくて、理想的な鑑賞となり……そうだったのですが、思いもよらぬ事が起こりました。

物語が終わる50分ほど前、映像が完全に消え、赤いランプが場内に灯ったのです。エヴァなので「ああ、こういう演出かな?」と思ってたんですが、数分経ってもこの状態なのでさすがに周りがガヤガヤしだし、本当に災害なのか?と思い始めたときは、死を覚悟してました。

結局は警報機の誤作動で、20分ほどの中断のあと、少し前のシーンから再開して一安心です。だから1回というか、1.01回くらい見た計算になります。最終戦に行く前のシーン、どんなにいいシーンでも2回連続でみるのはきついな……と思いましたが、序盤の穏やかなシーンから見る羽目にならなくてよかったのかもしれません。

劇場出る時にお詫びの言葉と、任意の作品が見れるタダ券を貰って、手際の良さに感心しました。ちゃんとマニュアル化されてるんだな、と。

昔鹿児島の東宝で『セブン』を見てた時、終盤のみんなが印象に残ってる忘れられないあのシーンで、上映機のトラブルで止まった事があったんですが、なんのお詫びもなかったですね。ほどなく潰れましたけど、なんとなく理由は分かる気がします。

あの時に比べると、中断してる間にトイレに行けてよかったと思うことにしました。それはそれとして、尿意には餅が効果あるらしいので、周りに音で迷惑かけるポップコーンよりは、餅を劇場内で売って欲しいですね。

ある意味思い出となったこのタダ券、考察勢の書き込みを見たあとに、もう一回エヴァを見ろという事なのかと解釈いたしました。次は2週間後くらいに4DXで見ようかな(別劇場になっちゃうけど)。

すべてを見終わった今、素直に、感謝の言葉を述べたいです。

面白い作品をありがとうございました。

さようなら、すべてのエヴァンゲリオン。
さようなら、すべての世界線のエヴァンゲリオン。
嶽花征樹

嶽花征樹