真田ピロシキ

シン・エヴァンゲリオン劇場版の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

2.7
エヴァンゲリオンに対して最早何の興味も残っていないのだが、リアルタイムでTV放送を見てこれ以外は全ての映画を映画館で見たのでケジメとして今年中に見ようと思った。面白かったらラッキーくらいの気持ち。

序盤は良かった。Qのイジメのような展開ですっかり心がへし折れたシンジ君がアスカに連れられていった村で生きてたトウジとケンスケに出会い、そこでも心を閉ざすも拒んでいた綾波じゃないアヤナミとの交流をきっかけにかつての友人達とも話せるようになってシンジ君が癒やされていくの。シンジ君をクズ親父からのネグレクトやQの仕打ちなど虐待の被害者と捉えているので、そういう子供がコミュニティで役割を与えられながら自己肯定感を得るのは現代に必要とされる物語だと感じられた。この日常系アニメが続くのなら嬉しかったのだが、そんなはずがなく。

ネルフ以外では生きられないアヤナミが爆死してクズ親父との落とし前をつける事を決めたシンジ君がミサトの指揮する船に乗ってからは知らない言葉と知らない映像がオンパレード。これに比べればGレコやエウレカのハイエボシリーズなんて大変親切なアニメと思う。比較対象として挙げた2作品はキャラクターが好きなのでついていこうと努力できたのだけど、私はエヴァに好きになれるキャラがいないので興味が沸かないのです。色々やってるのは分かる。破とQでミサトの態度が違いすぎてたのを納得させてて、クズ親父も5センチくらいは嫌悪感が小さくなった。終盤ではやはり旧シリーズから繋がった世界であった事を明かされ、旧劇のあれやこれやをこうリファインするかと感心する事はある。でもさあ、その末に言う事が「これでエヴァンゲリオンという物語が君達に必要なくなる。エヴァから解放する。」みたいなトーンで、一通り見てただけでエヴァに囚われてたつもりもない私は「何を自惚れてんだコイツは。」と思った。結局信者アニメだったのかよ。旧劇とは別のベクトルで気持ち悪い。25年かけて分かったのは私はどちらかと言うとエヴァが嫌いだったという事でした。さよならエヴァンゲリオン。序と破は本当に面白かったよ。