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団地のべるのネタバレレビュー・内容・結末

団地(2015年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

藤子・F・不二雄や星新一の描いてきた「すぐ隣にあるSF」を我らが阪本順治が描くとこうなる。
なんてことない関西の団地の日常は、例えば石橋蓮司と岸部一徳の自治会長選挙とか、藤山直美の挙動とか、斎藤工の演じる宇宙人とか、竹内都子や濱田マリの主婦の井戸端会議とか、それ自体が上質なコントの組み合わせみたいで、小さな映画館なのに声出して笑ってしまった。
阪本順治は大規模な取材してビッグネーム呼んで制作費使ってってやってハリキって撮った大作は今ひとつパッとしないんだけど、こういう1日で脚本書いて5日で撮った、みたいな抜いた作品は当たりが多い。ビリケンとか愚か者とか。
団地のタイトルが表す通り団地で生活する人々の日常が描かれていて、そこには現代社会ならではのどうしようもない葛藤や行き詰まり感があって、入り込んで観ていて辛くなったんだけど、最後に用意されたオチが物凄いハッピーエンドで、そういうのが「阪本順治解ってるなぁ〜!」って思って嬉しくなった。
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