冬のしじま

バーフバリ 伝説誕生の冬のしじまのレビュー・感想・評価

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)
3.9
細かい辻褄や簡単な物理法則など無視し、逆に見せ所を過剰に演出した物語は勝者によって編纂された歴史、もしくは神話に見える。ただし主人公には良い意味で神々しさはなく、しかし王たるものとして勇気と優しさ、なにより素朴ながらも気品にあふれている。結果的にどんな王(厳密にはまだ王ではないんだけど)より身近で親しみやすい。その男気にはなるほど臣下として着いて行きたくなるほどである。個人的には女性と良い感じになるとき、まず彼は女性を美しく飾り立て一緒に歌い踊る。盛り上がった女性が彼を誘う、というあくまでも女性優位の描き方でここにもやはり気品と慎み部下さを感じた。
彼は力持ちだが、力だけならカッタッパも持っており、バラーラデーヴァに関しては力に加えて血筋も文句がない。となると王の素質とはやはりシヴァガミの言うように仁の心にある。ただし全編に渡り描かれている通り、心そのものより、強靭さによって行動となって放たれるその実現性に主眼が置かれており、それが爽快である。
ちなみに音楽もすごく良かった。特に女性の声がパワフルなのに透き通っていて良いのである。
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