冬のしじま

レディ・プレイヤー1の冬のしじまのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
2.8
少年が通過儀礼たる冒険を経て一人前の男として成長する物語。
面白いのは設定を現代の延長線上の未来に据えたことか。
主人公の「冴えない」感も良かったし、現実の制限を受けない(コロコロ変わるアバター、無重力、簡単な死とリスポーン)ゲームの世界観もこのまま技術が発展すれば成立しそうなレベル感でワクワクできた。
バーチャル、という問題は様々なフィクションが取り扱ってきた。この作品では明らかに現実が最優先され、バーチャルは楽しくても詰まる所仮想のものでしかない、というメッセージが込められている。(例えば主人公はゲームを介して、しかし結局現実で彼女ができた。)
ある程度は頷けるが(人間は飯を食わないと生きていけない)、「ゲームは1日1時間!」的なラストのメッセージに象徴されるように古い大人の考えが根底にあるようで結構興ざめしてしまった。
私はおっさんだし、ネットに代表されるバーチャル至上主義ではまったくないが、しかしこの考え方は古すぎるかなと。説教臭いとは言わないが。
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