冬のしじま

セッションの冬のしじまのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

音楽に打ち込み、そして今でも音楽と離れられない会社の方々におすすめされて鑑賞。
良かった。私自身は音楽とは気楽に付き合っているが、それでもいろいろ思うところがある。ラストに関してはいろいろな解釈があると思うが、私からするとこの物語はニーマンとフレッチャーの対決の物語で、肝心のラストはもはや勝負にすらなってなかった。わだかまりの応酬で火がついたニーマンだが、最後ドラムを叩きまくる彼はもはやきっとそんなことを考えていなかったろう。彼が考えていたのは最高の音楽を鳴らすことだ。フレッチャーはそれに飲まれた。2人の初めての共同作業、というよりは先を行くニーマンにフレッチャーがただ巻き込まれたに過ぎない。ニーマンはもう憎い敵としてフレッチャーをみてない。ニーマンにとってもはや彼ですらバンドの一員にすぎない。
なるほどフレッチャーは音楽を心底愛しているのだろうが、自己愛と執着が強すぎる。ニーマンも自分勝手なやつだし、たしかにフレッチャーに対する異常な負けん気が彼を動かした部分もあるが、恋人とドラムという壊れた関係を修復しようとする力がある。
若いやつが老いたやつを完全に打ち負かしたのだ。ニーマンには輝かしい明日があるだろう。それがドラムの、ジャズの世界かはわからないが。なぜなら彼はやるやつだからだ。
冬のしじま

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