元旦にマーフィーの元彼女エクストラの母親から電話がかかってくる。
エクストラが行方不明だと聞いてから、妻や幼い子どものことを考えられなくなり、マーフィーはエクストラとの時間を思い出す。
言葉にできないほど愛していたエクストラとの濃厚な時間。
激しくて深い愛とセックスを映像で表現し、愛しい気持ちと憎しみは表裏一体なのかと感じるほど欲深い時間。
エクストラのことを心から愛していたのに、他の女性に目移りしたり強欲に女遊びを続けるマーフィーは自業自得とも言える。
けれど女性の私から観たこの作品は、男性の赤裸々な欲望を描くとこんな表現になるのかもしれないと興味深く観ることができた。
男と女は分かり合えないと思える点も多々あり、すれ違っては寄り添い、歩み寄ってきたふたりの間に絶対に許せないことが起きることで別れがやってくる。
後悔しても時間は巻き戻らない。
あの時に戻れたらと何度考えても人生は続いていく。
過去の選択は変えられないのに、愛した女のことを忘れられないマーフィーの記憶たち。
時系列をバラバラにした記憶の散りばめ方が秀逸で、ふたりの愛と生き方に対する考えがよく分かる。
面白かったところは、息子だったら名前はギャスパー。ノエ国際画廊の元カレノエ。エンターザボイドで見たことがあるラブホテルの模型。MIMIのDVD等、細かいところに遊び心があるところ。
人生の意味は愛。と言う言葉が好き。
