nccco

神様の思し召しのncccoのレビュー・感想・評価

神様の思し召し(2015年製作の映画)
3.0
原題は Se Dio vuole、神が望むなら という意味。
人生なんて自分の思い描いてるようになんてならない。
すべて神(らしきもの)によって流されて生きている。
トンマーゾとピエトロが神について語り合う野原での場面は、爽やかで軽やかで能天気で、でも愛に溢れて暖かい、まさにこの映画を象徴する素敵なシーンです。

ピエトロの懐に忍び込み、正体を暴こうとする以降の展開はテンポがよく小気味よい、特に娘婿ね、あの人面白すぎ。ゲラゲラ笑いました。
ラストは「これまだ続きがあるんじゃないか」と思わせる終わり方で、そのせいか、誰もエンドロールが終わるまで立つ人いなかった笑、けど何もなく終わってしまってちょっと消化不良。神様は微笑んだのか、、そこは考えさせるんじゃなくて、見せてほしかった気もします。

前半のトンマーゾの鼻持ちならない感じを語るパートが長いわりに、ピエトロの人となりや、結局トンマーゾは何を・どこをきっかけにピエトロを許すようになるのか、の下りが描き切れていなくて、ラストのカタルシスが弱い。
東京映画祭観客賞ということで去年から好評だったのでちょっと期待しすぎちゃったかな、ちょっと残念な感じもしましたが、からっと明るいイタリア映画、気分転換に観るならとても良い映画ですよ。おすすめです。
nccco

nccco