Yukiko

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐのYukikoのレビュー・感想・評価

4.0
2023年1月26日
『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』
               2015年アメリカ制作
監督、マイケル・グランデージ。
他の監督作品に『僕の巡査』がある。

1920年代、ニューヨーク。
スクリブナー出版社に勤務するマックス・パーキンズ
(コリン・ファース)は、トーマス・ウルフ
(ジュード・ロウ)が書いた長編小説を読み、
出版を承諾する。
トーマス・ウルフは、同居する愛人のアリーン
(ニコール・キッドマン)に早速知らせる。


実在の人物、マックス・パーキンズ。
この映画は、ベストセラー作家を陰で支えた
編集者パーキンズの伝記映画である。

感情のままに際限なく文章を生み出すウルフ。
その非凡な才能を活かしながら、ウルフの書く文章を
編集者であるパーキンズが、まとめたり、削除したり、
整えて一冊の本に仕上げていく。
そうやって出版された本はベストセラーになっていく。

が、編集者としてのパーキンズは、自分は表に出ず、
あくまでも黒子としていた。

マックス・パーキンズが見出した作家は、
F・スコット・フィッツジェラルド、
アーネスト・ヘミングウェイ、
リング・ラードナー、トーマス・ウルフ。

この映画を観ていて。。。
パーキンズがいつも、どんな時も帽子を被っていて
取らない事に気が付いた。
家の中でも、家族団らんの時でも、食事時も。
唯一、ラストで帽子を脱いだが。
何故何故?

Wikipediaに「逸話」として記載があった。
パーキンズは室内でも常に帽子を被っていることで有名
だった。
これは元々、『スクリブナーズ・マガジン』に寄稿していた
作家ウィル・ジェームズのテンガロンハットをパーキンズが
気に入り、ジェームズが似たようなものを見繕って送ったの
がきっかけだった。
その内帽子は7号サイズで灰色のソフト帽に代わったが、
室内でも帽子を被る習慣はパーキンズの奇癖として有名に
なるほどだった。
その理由について、彼の秘書を務めていたアーマ・ワイコフ
は、会社の下層階にあったスクリブナー書店の店員と
間違われないようにするためだったと語っている。
ただし自身では、急な来客時に外出するところだったと装って
逃れるため、などとしていた。
(この項、Wikipediaから抜粋)

映画ではトーマス・ウルフの喧々たる様子が描かれる。
トーマス・ウルフの勝手な解釈、行動、他人に寛容でない
性格を、それまでおおらかに見ていたパーキンズが、
トーマス・ウルフの態度に我慢ならず、注意する場面、
観ている此方は漸く注意したとホッとした。

映画では、フィッツジェラルド(ガイ・ピアース)や
その奥様ゼルダ(ヴァネッサ・カービー)、
ヘミングウェイ(ドミニク・ウェスト)、
出演なさっています。
パーキンズが丁寧に接していて、それでも臆することなく
対等な関係なのが分かる。
Yukiko

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