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ドント・ブリーズのTSのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
4.0
【息をすれば殺される…】85点
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監督:フェデ・アルバレス
製作国:アメリカ
ジャンル:スリラー
収録時間:88分
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かなり評判の良いスリラー映画でしたので鑑賞。確かに今年屈指のスリラー映画と言えそうです。まさにタイトル通り、息をしては殺される映画です。『バイオハザード ザファイナル』は、驚くところが容易に予想出来ますが、今作は予想がやや難しい。また、終始静かなので、大音量のシーンはかなり心臓にくるものがあります。横のカップルの男の人が、最初の一発目で思わず声を出してしまってたのがそれを物語っています。

強盗を企てる若者3人、ロッキーとマネーとアレックス。成功を収めつつも、次は盲目の元軍人の家を標的にするのだが。。

まず、主人公サイドは「犯罪者」です。かたや標的は元軍人であり、国に大いに貢献したあるハンデを持つ男です。このハンデがあるからこそ、ここまで緊張感ある佳作に仕上がったと言っても過言ではありません。このハンデがなければ多分主人公たちは瞬殺されていたでしょう。そしてこのハンデもあるので最初はどう見ても、狙われるこの男が不憫で仕方ないのです。しかしながら、いざ侵入してみるとどうか。主人公たちが惨めなくらい追い詰められます。正直なところ、主人公たちが犯罪者であるため感情移入があまり出来ない。ところがこの男が彼らを追い詰めすぎていたら主人公たちに肩入れしたくなります。これが交互に繰り返されるので非常に面白かったです。感情移入の連続性とでも言えましょうか。まあ、物語的に見るとこの男も犯罪者なのですが、一人で三人を相手しているのでやはりこちらを支持したくなってしまいます。

演出や映し方も良く、サムライミが製作に関わっていることから『死霊のはらわた』にどことなく似たような雰囲気が終始醸し出されていました。人間以外の存在を出さずにここまでハラハラさせる映画を作れるとは、、作り手はホラー・スリラー映画に必要なものを熟知してると言えます。また、終始一定の緊張感がありますので、とても88分の尺とは思えません。120分くらいあった感覚です。

映像美とかではなく、ただただ今作のスリルを最大限に味わうためには映画館で見るべきです。20年に1本は言い過ぎだとは思いますが、他の類似名作に十分比肩する作品だと思われます。唯一、結末があちらの方ならば自分好みなのでもう少しスコアは伸びたかもしれません。これでは主人公たちを正義としてしまうので危険です。心臓の弱い方はご注意を。
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