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ゴールド・ボーイのTSのレビュー・感想・評価

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
3.6
【大人を脅す子ども達】77点
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監督:金子修介
製作国:日本
ジャンル:サスペンス
収録時間:129分
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 2024年劇場鑑賞9本目。
 評価が高かったのでなんとなくふらっと劇場に行き鑑賞しました。中国の『悪童たち』というのが原作だそうで、悪知恵を働かせた子ども達が大人を利用していく様が爽快なようでいけ好かない感じがしますね。なんとなく自分が苦手としている『スタンドバイミー』感があったのでどうなるかな、と思っていましたがまずまず楽しめました。

 ある少年少女3人組が、崖から二人の人間が突き落とされる瞬間を目の当たりにしてしまう。たまたま撮影されたその動画を材料にし、犯人に大金を要求していくのだが。。

 なんとも肝っ玉がすわっている子ども達です。いや、この計画を提案した羽村仁成演じる朝陽がやはり異様な雰囲気を最初からまとっており、普通ならばこの動画をお蔵入りにするか、警察にすぐに届けるかで終わるはずなのに、犯人と接触して大金を要求するのだからとんでもない。この犯人は冒頭数分でわかるので明かしても良いでしょうが、これが岡田将生演じる東昇です。子ども3人とは言え、何を考えているかわからない大人の東を相手にして無事に済むのだろうか。車内でのやりとりをみたら、子どもをナメてはいけない、と思えてしまいましたが、やはり大人もナメてはいけません。割と順調に子どもサイドの計画が進んでいくので、逆に心配になってきます。

 今回のこの事件の真相は、被害者が極めて有名な実業家が絡んでいるため、警察や報道局によってもみ消されていくのも後味が悪いです。そういう大人の悪い部分を見てきたからか、子ども達もかなり歪んでいて、いやむしろ大人の歪みを見てきたからこそ、大人に反撃をしていこうと思えてしまうのでしょう。今作に出てくる人物はほとんど全て少し異常かそれ以上としか言えなく、唯一フラットに物事を捉えているのが江口洋介演じる刑事の東巌でしょう。彼は事件の犯人を追う中で、子ども達が何らかの形で介入していないかも考えていきます。ラストに向かうに連れて緊張度があがっていきます。さすがにこのまま子どもたちの思いのままにはいかないだろうと。大人をナメるなよ!って言葉がいつか飛び交うかな、と思っていたら本当に飛び交ったので驚きました笑

 なかなかダークな部分を露出した作品でして、子ども達の葛藤や不信感も垣間見れますが、こうなってしまうのもやはり社会が良くないからでしょう。元ネタが中国なので、少し日本とは事情が違うかもしれませんが、中々面白かったです。
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