Ryoko

提報者 ES細胞捏造事件のRyokoのレビュー・感想・評価

提報者 ES細胞捏造事件(2014年製作の映画)
3.8
原題はWHSTLE BLOWER(告発者)
「韓国人の前でノーベル賞の話をする時は少し気を遣わないといけない」という話を聞いたことがある。その理由はこの事件にあったのだな、と納得。
2004年。韓国が初めて科学分野でノーベル賞を取れるかもしれない、生命医学の先進国として名を馳せるかもしれない、その結果、絶大な経済効果があるかもしれないと期待されていたES細胞の研究。
しかし、その研究は捏造されていたことが内部告発により発覚し、国全体を巻き込んだ大騒動に発展した事件。
日本でも少し前に同様の騒動があったので、比較しながら見ても面白い。
どぎつい描写も極悪人も登場しない、社会派ど真ん中をいく映画だった。
この捏造の中心人物の研究者も、今は同分野の研究者として復権してきているそう(驚き!)なので、気遣いもあってかあまり悪どく描かれていない印象。

真実の追求か?国益か?がテーマ。
真実の追求こそが国益であると、あくまで真実を暴こうとするテレビ局のプロデューサーの奮闘が中心の話だった。
疑惑を明らかにしようとするテレビ局に対して様々な妨害や誹謗中傷が行われるのだが、世論の中心が真実がどうかということよりも「国家の英雄」を守ること、国の威信を守ることというのがいかにも韓国らしいと感じてしまった。