ぶみ

チェイサーのぶみのレビュー・感想・評価

チェイサー(2017年製作の映画)
3.0
ルイス・プリエト監督、ハル・ベリー製作、主演によるアクション・スリラー。
息子を誘拐された母親が、犯人を追う姿を描く。
物語は、前述の一行が全てと言えるほど、至ってシンプル。
大半はベリー演じる母親が運転するクライスラー・グランドボイジャーと、犯人が駆るフォード・マスタングとのカーチェイスで占められるが、ベリーの鬼気迫る顔のアップの多さ、無駄なスキール音、ブレるカメラと、些かチープ感が漂うのは否めない。
また、愛する家族の誘拐、カーチェイス、行方不明者のポスターだらけの警察、終盤のアジトでの攻防と、私のベストムービーの一つ『ブレーキ・ダウン』を彷彿とさせる展開が多いのは偶然か必然か。
冒頭、息子を撮影したホームビデオのシーンが、やたらと長かったり、その後に登場するレストランでのやりとりが伏線かと思いきや、そうでもなかったりと、94分という尺の短さでありながら、冗長な場面が多いのも残念なところ。
普通の母親が普通のバンでカーチェイスを繰り広げるのは見どころの一つであり、決してつまらない訳ではないが、それ以外全てが想定の範囲内におさまってしまったのが何とも惜しい一作。

誘拐する子を間違えたわね。
ぶみ

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