丸木

永い言い訳の丸木のレビュー・感想・評価

永い言い訳(2016年製作の映画)
3.8
死から始まる生

私たちの生活は自分を正当化する言動を誰かが認めたり拒絶したりすることで成り立っているが、それを無視し続けているとある日そうした営みも成り立たなくなってしまうのだと考えさせられた。

その営みを半強制的に気づかせてくれるのが子供。ある登場人物が発する「子供は免罪符」というセリフはやや刺激的だが、大人同士の関係性では蔑ろにしてしまうことを子供が思い出させてくれるという意味で誰でも当てはまることのように思える。

本作では細かい部分の演出が光る。心理描写の積み上げが丁寧で登場人物それぞれに対して心中お察しせざるを得ない。あと劇中アニメが完全オリジナルなのがすごい(主役の声がハム太郎の人) テレビ業界の扱い…。

・タイトルについて
言い訳が永くなるということは、言い訳を言える自分を本当に認めてくれる人を失い、収集がつかないことを指してるのかと思った。
丸木

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