Kuri

永い言い訳のKuriのレビュー・感想・評価

永い言い訳(2016年製作の映画)
4.2
一番近しい人がいなくなる経験があるので、抉られるような気分で観ました。
現実に放り出されたみたいで、自分がどんな風にしたら良いのかわからないで何となく振舞っていて、突然喪失感に襲われて慟哭を繰り返す。陽一さんがラジオを聴きながら嗚咽するのが、痛いくらいに。

かたや、妻の死が他人事のようだった彼がラストシーンで静かに涙を流す時、現実を受け入れて生きていこうとする決意がみえて、自分とは違うけど分かると思えてしまいました。
正直、彼は屑で、僕ももちろん違うタイプの屑で。
屑でも生きていこうって思える希望が見える作品でした。

小説も、雑誌monkey での短編もどちらもそれぞれに素晴らしくて、映画が多面的に理解できるのでオススメです。
西川監督は本当にすごいなあ。
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