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京城学校 消えた少女たちのmのレビュー・感想・評価

京城学校 消えた少女たち(2015年製作の映画)
4.7
「ドラッグ・ウォー 毒戦」を韓国リメイクした今秋公開「毒戦 BELIEVER」の監督の過去作。

画、美術、音楽、衣装、全てにこの映画に必要とされる美しさというか艶がしっかりとあって、素晴らしいクオリティ。
百合ミステリー・ホラーだと思っていたら、思わぬ方向へとジャンルが転調していくパワフルさ・ダイナミックさが韓国映画ならではで(この辺はネタバレありでコメント欄に書きます)、その転調の中でも登場人物のエモーションが最後まで一本筋を通しているのが心に響いた。

ボートに乗る前に彼女が脱ぎ捨てた靴を主人公が揃えてあげたり、といった細かいディテールが良い。

大原優乃と今田美桜の中間のような顔立ちの主人公パク・ボヨンは可愛く、終盤での壮絶な熱演も素晴らしい。彼女を筆頭に壮絶な運命を辿る女の子達が皆芝居も個性も良かった。
主人公の大切な存在になる良い役で印象的なパク・ソダムはポン・ジュノ新作「パラサイト」でまた良い役を貰っているようで、そちらも楽しみ。



劇中登場する日本軍の資料に、よく見ると『親日』という言葉が書いてあって、やはり向こうの方はこちらの事をよく見ているなと思う。日本軍人役の男優の日本語が聴き取り辛いのが難点。


やはり韓国映画は『行く所まで行く』のが真髄だなと、修羅の道へと突入するクライマックスでの主人公の壮絶な表情を観ながら思った。
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