終戦時に戦地に駆り出されたヒトラー・ユーゲントは、物心つく前からナチスの思想下で育ったような少年たちばかり。ヒトラーは神だし、ドイツ人以外は劣等種族だから何したって構わない。そういう教育しか受けたことがないガチガチのナチス。
だから、最初の方の大人たちの態度、とくにおかみさんの言動は、少年たちに対しても容赦ない。そりゃそうでしょう。こういう態度を取られても仕方のないことをやってきているでしょうから。
少年たちも、いままで信じて疑わなかった世界が完全に崩壊して呆然としているところ、ヒトラーのためでも何でもなく、命がけの地雷撤去をさせられることに。
そういう前提を知って観ると、より史実の少年たちの運命に愕然とするし、創作とはいえ軍曹との間に少しずつ芽生える信頼関係にグッとこないわけにはいかない。
最たる戦争犯罪は、子どもたちに軍国教育を施し、軍事行為を行わせることだと改めて思う作品だった。
