イギリスの著名な児童文学作家ジュディス・カーの半自伝的な原作はまだ未読ですが、ナチス前夜にかろうじて亡命できた一家の約2年の放浪を描いた作品。
お父さん役は「帰ってきたヒトラー」でヒトラーを見事に演じたマスッチ。今度はめっちゃダンディで優しい役ですが、実際のお父さんはこのときすでに60代後半で、お母さんとは30も歳が離れていたようです。ビックリ。
お母さんはプロイセン国務長官だった父のもとで何不自由なく音楽家として育った方のようなので、急転直下の生活にとても苦労したのではないでしょうか。でも、お父さんより現実をしっかり受け入れて苦しい家計をやりくりしていたんだなあ。
フランスも反ユダヤ主義が浸透していたとわかる描写もあってよかった。
「芸術は贅沢」というセリフが、いまの日本でもヒシヒシ感じられるようになってきた気がしてなりません。
子ども目線で描かれるから、ときに子どもたちの反抗にイラッともしますが、まだこの時はあんな暗黒の時代になるなんて知らなかったものね。子どもなりに言葉や習慣の違いに順応していく姿もたくましい。
つか、アンナ役の子、可愛すぎる❤️