雨虎

レディ・プレイヤー1の雨虎のネタバレレビュー・内容・結末

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

好きな自分になれるという触れ込みのオンラインゲームが登場する作品はいくつかあるものの、ある意味ではこの作品が1番なりたい自分になれるゲームを制作しているように見えた。
しかし、本来の自分というものがあるため、なりたい自分をネット上に投影することはできても自分自身を変えることはできていない。つまり、この作品では「見せたい自分」でしかないという点を強く表現している。
筋肉隆々の男性アバターのエイチは女性だった。かっこいいパンクな見た目のアルテミスは顔にアザがあるのがコンプレックスの女の子だった。終盤ではそれぞれが自分の姿を明かし、アルテミスに関しては顔のアザもアバターに反映していた。
この違った自分を見せて大切なのは本来の自分で向き合い成長するという物語自体は王道とも言えるし、予測しやすい分、悪く言えば陳腐かもしれない。
ただ、この映画の面白いところはそこだけではなく、さまざまなサブカルチャー等が出てくる点だと思う。序盤ではマインクラフトやバットマン、サンリオ、マーベルシリーズと他作品をふんだんに取り込んでいる。まさか漫画「AKIRA」や機動戦士ガンダムまで出てくるとは思わなかった。音楽も世代によってはドンピシャなものであったり映画作品もそうだ。例を挙げればキリがないほど出てくる点は目がいくつあっても足りず、全部網羅しようと思うと何度も見ることになる。
他にもクスリとする演出も多い。名シーンの一つとしては「俺はガンダムで行く」とダイトウが日本語で発言するがお気に入りだ。それまで英語で話されており、日本語が一切出てこなかったのに唐突に発せられる日本語はインパクトがあった。
純文学的な内容を期待して見るものではなく、エンタメに振り切ったこの作品はオタクの自分にはドストライクだった。
雨虎

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