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素晴らしきかな、人生のkojikojiのレビュー・感想・評価

素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)
3.8
2016年アメリカ 監督デヴィット・フランケル 脚本アラン・ロープ キャスト:ウィル・スミス、エドワード・ノートン

 ニューヨークで広告代理店を経営する男ハワード(ウィル・スミス)は、最愛の娘を亡くして失意の中にいる。心配する同僚たちは彼の心を開くべく、3人の舞台俳優に即興芝居を仕掛けてもらう。 
 しかし仕掛けた3人も実はそれなりに深刻な悩みを持っていた。

1946年「素晴らしき哉、人生」とは直接には関係ないが、多くの共通点がある。なんと言っても、取り扱っているテーマは「人生と死」。クリスマスの寓話というところも同じ。1946年版には直接天使が登場するが、今作には直接には登場しないものの、主人公は天使を見ている。(騙されていたとしても)
 
 いちばんの違いは、1946年版が基本的に主人公焦点を当てているのに対し、今作は、主人公を救済する仲間三人もその救済によって、自分達も救済されるという筋書きになっていること。

 主人公の妻は娘を亡くした病院で、同じ境遇の女にこう言われる。
「幸せのオマケがある」
この言葉、何故かどきりとした。不幸なことが遭遇した時、この言葉には救われるかもしれない。

 最後のオチは(この場合、オチとは言わないかもしれないが)、2段の仕掛けになっていて、「そういうことか」と、いい話を聞いた時のように心が満たされる気持ちになる。1946年版の直球ではないが、心に響く素晴らしい脚本。傑作でしょう。

#2022-139
死ぬまでに観たい映画1000-39
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