「真実」は闇の中。
ジョエル・エドガートンが監督・脚本及び主演の三役をこなしたサイコスリラー。
共演は、ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール等。
新居に越してきた一組の夫婦。
彼らは、夫であるサイモン(ジェイソン・ベイトマン)の故郷近くへと出戻ってきたのです。
街で買い物をしていると近づいて来たひとりの男。
彼、ゴード(ジョエル・エドガートン)はサイモンの高校時代の同級生なのですが、サイモンは名乗られるまで思い出せないようでした。
その日から、ゴードはサイモンと妻のロビン(レベッカ・ホール)に様々な贈り物をするようになります。
ワイン、窓吹きクリーナー、さらには池の鯉まで・・・・・
ゴードの行動が不審だと訴えるサイモンに対して、ロビンは「彼は親切なだけじゃないの?」と、異論をとなえます。
夫妻の絆を脅かす小さな綻び。
やがてそれは取り返しがつかないほどに広がってゆきます。
ゴードが贈る最後のギフトとは?
恐るべき、彼の真の目的とは・・・・・?
本作を鑑賞して思ったことは主に3つ。
「人はした事を憶えていなくても、された事は忘れない」
「人は一度疑い始めたら、疑う事をやめられない」
そして、「人の本質はそう簡単には変わらない」
ゴードがどこまで計算して行動していたのかは分かりません。
サイモンの仕事上の事に関しては、恐らくはノータッチなのでしょう。
あれは、サイモンという人間の醜い本質が露呈した結果の自業自得だろうと思いました。
まったく同情する余地なんてありゃしませんし、自爆とはどんだけ愚かなのでしょうかね。
ゴードは明らかに復讐するチャンスをうかがっているわけですが、もし故意に夫妻の仲に溝を掘ったり、ロビンを情緒不安定にさせたとしたなら天才的という他ありません。
なので、普通に考えれば、ゴードに有利なように状況が転んでくれたというのが正解のような気がするのだけれど、実際のところはどうなのでしょうね・・・?
兎にも角にも一番悪いのはサイモンなのです。
サイモンがどんな人間なのかは、ゴードに謝罪しにいった場面で目一杯明らかになってしまいます。
誰もが「なんだ、こいつは。酷すぎる」と思う事でしょう。
自分では、いくら「俺は努力した」と主張したところで、人間性が最悪
なのではどうしようもない。
愛した夫の本当の姿を知ってしまったロビンが不憫でならないですね。
神経衰弱に陥る聡明な妻をレベッカ・ホールが好演していますよ。
↑アゲて、↓サゲて、トドメを刺す。
絶頂から、一気に奈落の底へ突き落とされる・・・・・
それが遊園地のアトラクションならいざ知らず、「人生」だと言うのだからたまりませんね。
一見すると地味な「目には目を」(←劇中でもセリフに出てきますね)ではあるけれども、サイモンのようにサクセスした人間にとっては、ある意味殺されるよりも辛く耐え難いダメージでしょうから、怖いと思うのと同時に非常に溜飲が下がるラストでした。
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