このレビューはネタバレを含みます
現代のモヤモヤへ一石を投じる映画。
男女のジェンダー問題というよりかは、今の世界はこうだけど、君たちはどう生きるか？映画でもある。また、創作物(＝映画、アニメ、フィギュア、アイドル)が現実にもたらす影響とその罪、それが存在するから人の悩みや犯罪が起こるのか？問題についても踏み込んでて、クリエイターにもオススメできる作品だと感じた。
結局はフェミニズムなんだけど、すごく男女の真ん中にある映画で、現代価値観に即した上で前向きで、この監督は宙ぶらりんに耐える価値を繊細に描ける稀有な映画監督だな〜と感じた。
宇宙服バービーは、昔CMなんかでみて、可愛くあるか、宇宙飛行士になるかどっちやねん！？って思ったからなんかテーマ的に笑えた。ただ、女性は宇宙飛行士にも、ひたすら可愛いにも振り切れない、どちらの両立と期待されるという少し不憫なところはある。女らしさ、あるいは仕事や学問に特化して振り切れる人を男らしいというのかもしれない。
ケンは可哀想だと言うけど、大体の映画の男主人公って、家に奥さん(町1番の美人)を自分の形見を預けた上で待たせて、勝手に戦死するor孤独に旅立つエンドがめっちゃ多いよね。実際の出演率や仲良いのは戦友とかで、ヒロインは心の拠り所=信仰対象又はピーチ姫的な最終目的だから、ある意味今までのヒロインの扱いって本映画のケンだよね！とは思う。(そこが男性的かっこよさを表すのに好都合な舞台装置で美術的には良いっちゃいいが…)
男女ともに、映画など、理想像の中ではケン化(＝舞台装置化)してしまうのだ。
男性らしさも良いところもあれば、悪いところもある。クリント•イーストウッドの「許されざる者」みたいな状況は嫌だし。
そのことを可愛くおしゃれに伝えてくれて、一呼吸させてくれる、良いガールズムービーでした。
