AMY

バービーのAMYのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
5.0
6年ほど前にある人からGreta Gerwigの存在を教えてもらい、その時に本作の製作が進んでいることも教えてもらって…
以来彼女の出演する作品や手がけた作品をいくつか見てきたけど、やっぱり彼女は鋭いポイントをつくんだよなぁ
本作も良かった


序盤のBarbie登場の歴史?のシーンを見て、たしかに今までの人形って赤ちゃんばっかりだったわと思った

昔のBarbieのCMみたいな感じで紹介されるBarbieの1日
ヒール脱いでもヒールの高さ維持な足
水じゃなくてただのキラキラしている紙?のプール
冷蔵庫に入ってる時から開きっぱなしの牛乳
傾けても何も出てこない飲み物
こういう細かいところがとってもリアルなBarbie Worldだった

本物のBarbieみたいなMargot Robbie、かわいいパステルな世界、Dua Lipaの主題歌、Cyndi Lauper の“Girls Just Want to Have Fun”とテンション上がるものが散りばめられてて、これだけでもう十分かもと思ったけど

楽しい!かわいい!で終わらないのがやっぱりGreta Gerwig

Barbieの世界と思ったら違和感ないけど、現実に置き換えたら、男性がこんなにいない、彼らが住む家もない、女性贔屓すぎる世界はありえない

そして現実の世界はBarbieの影響をほとんど受けておらず、いまだに男性優位なことが多い
それを知ったKenが作ったKendomは男性優位すぎる世界で女性は男性の助手や従う立場になっている

どっちも変だよね?って描き方が良いなと思った
こんな風に極端に示されるとわかることなのに、まだまだ現実では平等には程遠い



ぐさっと刺さるセリフの数々もポイントだった

“You have to be a boss but you can’t be mean.
You have to lead, but you can’t squash other people’s ideas.”
みたいな、〜にならないといけないけど〜してもいけないし…というGloriaのセリフもすごく共感したし

Kenの“I just don’t know who I am without you.”も肝な気がする
誰かの存在がないと自分がわからないって人意外と多いけど、そのままの自分で十分で誰かの何かである必要はないなと

“I’ve never wanted anything to change.”
このBarbieのセリフも共感した
変わって欲しいなんて望んでないけど

Gloriaの言う通り、世の中はわかるもの
“Oh, honey, that’s life. It’s all change.”

Barbieの変化が怖いと言う気持ちもわかるし、新しい価値観や新しいものに反論する人の心理はここからきているなと常々思う
“That’s… That’s terrifying.”


あと、この映画のcomedy要素も好きだった
序盤のちょっと大袈裟な人形の歴史みたいなシーンもそうだし
Weird Barbieのくだりとか、子どもにああやって、はちゃめちゃに遊ばれちゃった人形ってあるよなとか

Depression Barbieを新作BarbieのCMみたいに紹介するところもおもしろかった
“Anxiety, panic attacks, and OCD sold separately.”はアメリカのおもちゃのCMに必ず出てくる“each sold separately”のセリフと同じ調子で読まれてたし笑



end creditsのBarbieの紹介も良かった〜



元々はSony Picturesが製作を手がけるはずだったのに、色々あってプロジェクトの期限が切れてしまい、Warnerに移ったらしい
Sonyだったら、主人公はAnne Hathawayだったとのこと

妊婦のBarbieのMidgeを演じたEmerald Fennellが“Promising Young Woman”の監督/脚本を担当していたと知ってびっくり

Dua Lipaがちょい役で出演
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