コーディー

アイリッシュマンのコーディーのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
4.1
ネトフリ配信前の限定公開。
上映時間の長さに懸念はあったけどどうしても映画館で観たかったので観てきた。209分、後半尿意こそあったけど余裕で耐えれた。楽しかった!

米国最大の労働組合を陰で牛耳るマフィア、しがないトラック運転手フランクは図らずも闇の蜜月を重ね腐敗に塗れていく。更に組合のドン、ホッファとの親交は彼を後戻りできぬ虚無へと導く。物悲しさ全開の老年フランクが過ぎ去し威勢に思い馳せる。長いけど重厚な名優圧が幸せ!

利害の一致が結び付けたファミリー関係も永遠なわけはなく、組織の駒として板挟みになるフランクも時代の変遷と共にそもそも何を守ろうとしていたのかさえ見失う。組織の盛衰を経て背負ったものの重さと静かに向き合う老年パートの悲哀、デ・ニーロの囚われ漂うように生きる姿に染み染み。ラストも良い!

大親分ジョー・ペシの穏やかな佇まい、けれどそこにいるだけで漂う緊張。フィラデルフィア親分ハーベイ・カイテルとの並びは眼福の極みwそしてどっちがマフィアだよ〜なホッファを演じるパチーノの豪快さと人懐っこさ、そして哀愁が堪らん!CG効果を加えた若メイクも滾るあの日の彼らを甦らせる!

普段2時間ちょいの映画でも長いな〜って思う事多々やけどスコセッシの3時間半に渡る淡々もメランコリックもやっぱ苦に感じなかったな〜時折混ざるイカついオジ様たちの可愛い会話も楽しかったw
あとデニーロの娘役がアンナ・パキンなのエンドロールまで気付かんかった。