竜平

天空の城ラピュタの竜平のレビュー・感想・評価

天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)
4.8
代々伝わる不思議な石「飛行石」がキッカケとなって攫われてしまう女の子「シータ」と、ひょんなことから彼女と出会うことになる鉱山街の見習い機械工「パズー」。やがて始まる、空に浮かぶ伝説の王国、通称「ラピュタ」を巡る冒険を描く。

もう何度見たかわからない、宮崎駿監督作の中でもかなり好きな作品。舞台のメインが空で、その雲や風の描写がバツグンに好きというのもあるのと、今作はやっぱりアクションにアドベンチャーにコメディに、更にファンタジーな設定にほんのりラブストーリーに、とにかくいろんな要素が詰まりに詰まってるのが最大の魅力だと思ってたり。印象的なシーンがいくつもあってとにかく思い出深い、ってな人は俺だけじゃないはず。そんなこんなで久しぶりに見て思ったことをつらつら上げていくけども、まずパズーが怪力で頑丈で、めちゃくちゃ頼りになる。よくよく考えると今作は彼が主役なんだよなと、非常に魅力的。それからドーラ率いる海賊「ドーラ一家」の面々がめちゃいいキャラしてる。空の盗賊って感じだけど「海賊」と自ら名乗ってたり呼ばれたりしてる、ここはなんか宮崎駿のこだわり、はたまた基となってる時代やら設定やらありそう、でこのニュアンスは後の『紅の豚』にも繋がってたりして。あとシータの終盤のセリフ、そのまま引用するけども「今はラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの。“土に根をおろし風とともに生きよう。種とともに冬を越え鳥とともに春を歌おう”。どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」という、ここらへん『ナウシカ』の設定や題材に通ずるものを感じて、ヘタしたらこの2作品の世界線って繋がってるんじゃないか、なんて思ったんだけどどうだろう。キツネリスも出てくるし。そんでムスカのやられようは今見ても滑稽、最高。声優にあまり詳しくない俺なんだけどシータの声が昔のドラミちゃんだったことに今更ながら気づく、どっかで聞いたことあると思った。

エンディング「君をのせて」は後世にまで語り継ぎたい名曲。そんなこんなで今後も何度も見るであろう超傑作アニメ。最後は皆さんご一緒に、せーの「バルス!」。
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