たく

残酷で異常のたくのレビュー・感想・評価

残酷で異常(2014年製作の映画)
3.5
死にゆく冒頭から過去に戻る展開を繰り返す「ハッピー・デス・デイ」に似たループモノで、不条理展開のツカミから引き込まれたんだけど、ちょっと「ジェイコブズ・ラダー」的な演出にこれは倫理的にどうなの?って思っちゃった。

自己の行為を見つめ直すために同じシチュエーションを何度も体験させられながら懺悔していくシステムに取り込まれたエドガーが、それに耐えられずいかにこの状況から抜け出すかという脱獄モノ展開になっていく。
起きた事実は変えようがないので脳内記憶を改変しちゃうみたいな感じが??ってなった。
モニターの中から囚人たちを支配してる審判官が怖かったね。

エドガーの脱獄を手伝うドリスがアバズレっぽい見かけによらず母親愛に溢れたメンヘラ女で、物語の鍵になる。ループから脱出したいエドガーがドリスの行為と入れ替わることで、ドリスを自分の世界の登場人物として人生をまっとうさせて彼女を救い、かつ自分も何度繰り返しても苦しくなくなったことで救われるっていうのはちょっと都合良すぎかなーと思った。
ドリスが歳取ったのはループから抜け出したからだよね。

この題名は、現実は残酷で、映画でやってることは異常っていう確信犯的なことなのかもね(適当)。
たく

たく