阪本嘉一好子

ライフ・イットセルフ(原題)の阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

5.0
私はロジャー・イバートを知ったのはジョン ゴールデンというウエブデザイナーがクリエイトしたウエブサイト(Roger Ebert.com)からだった。今はロジャーイバートの妻が管理しているらしい。ロジャー・イバートはこのウェブサイトに満足していたようだ。検索がしやすいしあたらめて彼の映画批評家としての才能に敬意を表すことができる。そして作品のインタビューも読めるが全てが書いてあるので、(わるいけど)目が疲れる。(音声がいいなあ)
私はこの映画の後、このドキュメンタリーに出ていたイラン系アメリカ人のラミン・バーラニ監督『MAN PUSH CART』の映画をみたことがあるので、ロジャー・イバートはどんな批評を書いているのか気になった。この映画監督が無名だった頃で初めて一人でこの映画を制作した時、映画界の人を誰も知らなかったから、ロジャー・イバートにメールを送って観て欲しいと言ったらしい。ロジャー・イバートはサンダンス映画祭(2006年)に出したらみにくと言ったらしく、監督はロジャー・イバートが来るのを待っていたが、3日目にやっと現れて、この映画が好きな場合もあるから、主役と監督と一緒に写真を取ろうと。
エヴァ・デュヴァネイ(最近注目を浴びてる監督)もI will Folowの映画を作った後(?)、ロジャー・イバートの批評を読んで、歴史をコンテクスに入れ、ニュアンスを大切にする批評に感心していたようだ。
ロジャー・イバートはジャーナリストで映画評論家であるが2013年に他界しているので、それ以降はウェブサイトは他のコントリビューターの書いた批評になる。私は他の批評家のを読まない。
彼が、批評したラミン・バーラニ監督MAN PUSH CART について自分の感じたことを書く。 我々一般人が映画レビューを書くのとは違って、ロジャー・イバートは有名人だから、監督のインタビューもすぐ聞けて、よく映画祭りにも行ける。勿論、一般人のレビューとは違うのは当たり前だ。 しかし、例えばこの映画はアメリカ同時多発テロ事件(2001年)後で、緊張感に包まれているニューヨークが舞台で、主役はパキスタンからきたロックスターだった人で、ロジャー・イバートは『名前で呼ぶが、お客は姓は聞くとは思っていない』と書いている。この意味は、9.11のあとで、外見もそうだが、名前を聞いただけで、これで主人公はモスリムジャないかと十分わかるし、それ以上会話を求めないという意味で、移民の労働者を見えない存在として扱っているということだと私は勝手に思う。(偏見的に書いているがここで時代背景を入れてるので許してほしい)

Roger Ebert October 19, 2006  Sisyphus in New York
『MAN PUSH CART』にSisyphus in New Yorkというタイトルをつけたのを読んだ時、ロジャー・イバートの批評を評価できると思った。監督は"The Myth of Sisyphus," by Albert Camus, からアイデアをとって神話シンフォスに感銘を受けたようだと。話は人生を石を押しているだけでこの映画の主人公と同じように重いカートを朝出して夜しまうだけ。 『アメリカ経済やある種の政治的寓話の告発ではない。そして主役はほかに何ができるのかと。.丘の底で目的のない人生に直面するよりも、カートを押す方が良いというメッセージかも』とロジャーイバートは括っている。9.11後のモスリム移民の状況に寄り添って言葉を添えていると思う。