おはぎのえいが

ルームのおはぎのえいがのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
3.9
"部屋"
映画にとって部屋とは、第三者にそこでの暮らしをする人の生活を知らせるようないわば道具的働きを持つ。
この作品での部屋は閉じ込められている事実を母が告げる前と、その後で在り方が変わってくると思う。そして部屋から脱出した後、叔母の家で暮らすことになったが、
ジャックの認識としては、これは家であり部屋ではない。彼にとっての部屋は、母親と五年間ほど共に暮らしたあの部屋だけなのである。この部屋はジャックと共に成長した姿を現していて、また彼にとってもこの部屋は生きてきた証なんだと思う。
部屋に対して彼はマイナスな感情を1つも持たない。当然、彼の知っている部屋に愛着という物が存在するから、時々戻りたくなる…
最後のシーンのジャックの台詞、
『ドアが開いていたら部屋じゃない』という台詞も素晴らしくしっくりくるものだった。