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ボブという名の猫 幸せのハイタッチのcrnのレビュー・感想・評価

3.5
ジェームズは、「ボブが毎朝起きる理由を与えてくれた」という。薬物依存からの更生プログラムやビッグイシューという仕組みがあって、なおかつそれに関わる人が真剣にしっかりと向き合ってくれて、それでもクリーンになるのは本人がいかに心を強く持って取り組めるかにかかってくる。その更生の道程にも、根幹にある親子のわだかまりに向き合うのにも、ボブがそばにいたことが力になったのだから、人って不思議。自分よりも弱い存在を大切に思えるだけのやさしさが、もともと彼にあったということなのかも。

猫の視線は、インドのおじいちゃんのそれみたいに、何か意味深長な感じを受けてしまうのがおもしろい。ボブは2020年に死んでしまったけれど、本作の続編に登場しているそうで見たくなる。
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