青いむーみん

ボブという名の猫 幸せのハイタッチの青いむーみんのレビュー・感想・評価

3.8
 気持ちのいい話すぎて実話ベースでないなら、運が良すぎて白けていたかもしれない。嫌なところ一つない映画で可愛い猫が見れてイケメンの歌が聴ける。難しい顔せずのんびりと観ればいい映画だ。
 ヘロイン中毒の話ではあるもののラリっておかしくなっているシーンはない。そもそも主人公ジェイムズは猫ボブが現れる前からヴァルというソーシャルワーカーに助けられるかもしれない一人として挙げられていた訳だから性根は腐ってないのだろうし、描かれる彼の言動自体に嫌悪感を持つものはないから好感度は高い。そこへ誰からも愛される相棒登場なわけだから観客全員味方につけたようなもんだ。この物語はマイナス100からスタートして多少の停滞はあれどずっとプラス方向に進む映画なので鑑賞ストレスがなく、いつでもどんなタイミングでも観て気持ちよくなれるから誰にでもオススメ。
 たびたび映画で聞くメタドンという言葉は恐怖の言葉として印象づいてしまったのでちょっとどうしてもメタドンという言葉には強烈な暗黒を感じてしまう。しかしジェイムズは克服し、薬に依存するのは辞めて猫に依存するようになったと書くとちょっと嫌味っぽいかな。映画内では正にその通りで猫への執着心が普通ではなくなっている。現実ではボブはまだ存命で未だに共に生活しているようだがボブが亡くなった後のジェイムズは本当に大丈夫なんだろうか?と心配になった。元々悪い人間には描かれていないので自ら悪の道に進むことはもうないだろうけれど人がいいところもあり騙されてまた以前の生活に戻ってしまうようなことがなければいいが。