正善院市法秀

新婚七つの楽しみの正善院市法秀のレビュー・感想・評価

新婚七つの楽しみ(1958年製作の映画)
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みんな大好き♥文子&いづみ祭【4】

一つもマークがない作品に対して傑作!と銘打つのは
いささか信憑性に欠けるかもしれない。
しかしこの作品、辛口評価をしても面白いとしか書きようがない。
最初から最後まで全く失速しない。
ずっ~と楽しい♪

どこを切っても【笑】の文字しか出てこない金太郎飴なのです。
なので、このシーンが面白かったとクローズアップすることも出来ません。
そんな事をしようものなら、各シーンの状況説明と台詞のほぼ全てを書き出さなければなりません。
様々なパターンの笑いが盛り込まれて、人によってツボる笑いに差があると思うので、
ここに一例をいくつか選びだすことが困難極まりない。
ネタバレは極力したくないので、三か所程度をセレクトしてみようと試みたのですが、
<いや、こっちにするか?やっぱりコレは入れたい。それならコレも入れるべきだろ?このパターンを入れるならコレじゃなくて、コレかコレの方がバランスいいかな?…>
悩みに悩んで結局断念しました(笑)
とにかく最高の和製スクリューボール・コメディに仕上がっています。

全くなにも書かないのもなんなんで、主演の若尾さんと川崎さん以外の主な脇役キャラをちょろっと書いておきます。

【船越英二さん】
宇宙大好きな宇宙バカで、結婚は人生の墓場など色んな格言を出しては結婚を否定する独身主義者。
ところが最後には…(笑)

【八潮悠子さん】
密かに船越さんに思いを寄せる現実的な部分とロマンチストな部分をバランスよく兼ね備えた女性。

【島ひろしさんとミス・ワカサさん】
本業よろしく会話全てが漫才になっている大阪人夫婦。夫は3回、妻は4回目の結婚。
川崎・若尾夫妻と同じアパートに住んでいて、妻はとても図々しい。
新婚には七つの楽しみがあるんだよと川崎・若尾夫妻に語ったのが島ひろしさん。

【久保田紀子さん】
若尾さんが勤めるデパートのネクタイ売り場の同僚で若尾さん(おねえちゃまと呼んでいる)のファンでかなりの天然娘。
いつもベタベタしていたが、若尾さんの結婚を機にジェームス・ディーンにも夢中になる。
それでも若尾さん大好きは変わらない。
※「緑はるかに」の主役オーディションで並みいる美少女たちを抑え、最後まで浅丘さんと争った女優※

【小川虎之助さん】
船越さんの父親。ガチガチの国粋主義者。ある意味この父にしてこの息子ありといった感じ。

本作のようなコメディを飄々とした雰囲気で演じる若尾さんはやはりべらぼうに良い!
お芝居の幅が広い女優さんではありますが、個人的にはコメディエンヌとしての若尾さんが断トツに好き♪

最後に一つ。
興味深い資料を見つけました。
Googleで【ベビーブーム】と検索すると、一番上に年代別の出生数と出生率を表した表が表示されます。
この表によると、1950年に最高値(約270万人)に達しその年を境に急激に減少しはじめる。
本作が公開された1958年にはなんと約155万人にまで減少している。
ところが、翌1959年は9年ぶりに出生数が増加しているのだ。
もしかすると本作を鑑賞した若者たちが、二人のラブラブぶりに感化されプチ結婚ブーム巻き起こったのかも?
信じる信じないはあなた次第です(笑)☆彡
正善院市法秀

正善院市法秀