チョマサ

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男のチョマサのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

次々とおもしろいエピソードが出て来るもんだから、撮りかたとか気にする前に、それだけでおもしろかった。すでに知ってる人からすれば、エピソードを箇条につなげただけかもしれないけど、知らない部分もあったんで楽しめた。カーク・ダグラスとかジョン・ウェインとかヘダ・ホッパーとか。出てくる人みんなよく似てたな。
ヘダ・ホッパーはここで知った。
≫Vol.167 ハリウッドに君臨した2大女性コラムニストのコト
≫http://www.ytdp.com/columns/columns_167.php
これを読むと「誰でも」書ける時代のほうがひどいような。


オットー・プレミンジャーの映画って『暴力脱獄』と勘違いしてたけど、『栄光への脱出』って映画があったのか。

ウィキだから事実と違うかもしんないけど、『スパルタカス』の製作はこの映画よりも、もっと複雑だったらしい。

腰が悪いからか、風呂で脚本を描いたりするのも、おもしろかった。家族全員で仕事をして、切り貼りして作っていくところも見ていておもしろい。そのせいで家族を壊しそうになってしまうところとか泣ける。
ワンカートンを吸い尽くすんじゃないかってほどタバコを吸うし、酒も飲む。久しぶりにこんなに煙がうつる映画を見た。

すべてはラストのトランボの演説「あの戦いでいろいろなものを失ったって事」に集約されるんだろうけど、赤狩りが意味をなくしていくトランボのテレビインタビューは痛快だった。ヘダ・ホッパーたちの赤狩りの描写は、今おこっているポリコレ棍棒殴りとダブって見えた。根拠がデタラメなところも。

トランボが服役した時、備品係の黒人と話す場面が、印象的だった。白人を殺して20年を喰らったが、おれは後悔していない、共産主義者のトランボにたいして敵意を示す、当時の共産主義者が黒人にも嫌われてたことや、白人を殺しても後悔しないけどそれでもアメリカという国を愛してる点では、白人も黒人も共産主義者も共通してたところが、意外だった。そのあとトランボの娘のニコラが、人種差別撤廃運動に参加するところにもつながってる。

あと共産主義にたいする考え方や認識のレベルも、おなじ仲間でも違っているのがおもしろかった。だからこそ仲間割れするんだろうけど。

フランク・キングの出てくるシーンはどれも笑えておもしろかった。
チョマサ

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