原作がすごく良いので映画も観てみたんだけど、私が思うこの物語の勘所があまり表現されてなかったように思う。もちろん映像化が難しいのはわかるけど。
言語って肉体とか時間とか思ってるより多くのことと連動してるらしくて（例えば肉体だったら発声法、時間だったら文法とか）そこから始まる文化や思考とも深く繋がってて、つまり言語が違うということは思っているより違うということで。だから逆に言語を習得するとその言語の周辺にしかない感覚などもわかるようになるらしい。それは実際の私たちの世界の言語のことなんだけど、それを宇宙語だったら？未知の生物はその「違い」が人間同士のそれより多いだろうからそれを習得すれば…とやってみたのがこの物語だと思う。もうアイデアだけで100億点なんだけど、原作ではそれを文章の構成を使ってわからせられるという…。ここで書くのも変だけどほんとうによくできたSF小説なんだけど。
映画では視点が違うというか。。もちろんおおむねなぞってはいるし小説で示されるような物理のことを時間尺の決まった中で表現するのは難しいとは思うけど、そもそも核が違うというか。少なくとも私が原作で感動した点は映画には感じられなかった。。原作より情緒に寄った作りになってたのは良いんだけど、私的にはこの作品において情緒と物理の混ざり合いみたいなところも素晴らしいと思ったので、私の感じた情緒とは扱いが違うというか。いやまあ、原作の確認みたいな気持ちで鑑賞するのよくないね。反省。
原作が好きだったので、個別の作品としてはどうか？という感じではよくわかんないな。
上記の内容にピンときた人は是非原作読んで下さい。逆にこの映画に感動した人は原作は読まないほうがいいかも。笑
