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寝ても覚めてものdoscoytarovのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
3.2
最近見直したので。

人と人が対峙した時、顔から得る情報というのがほとんどらしく、さらにそれは造形ではなく表情から受け取るものが多いという研究結果があるらしい。「顔」についての語りにくさについてときどき考えてて、この作品はそういう感じで関心の重なる小説だったので映画も見てみた。

顔が似てるってどういうことなんだろう。造形は似てるのに全然似て見えない人もいるし、造形は違うのにどことなく似てる人というのもいる。原作では作中で朝子が春代に言われてみたら似てるけどそんなに似てる?みたいなことを言われるやりとりのシーンがある。要するに麦と亮平は関心のないものからするとその程度の似て見える他人なのだ。もしくは見る方が変われば見え方も変わる。朝子の変われない部分が亮平を麦に見せる。そして朝子が亮平の中に見た麦に見える部分は多分朝子にしかわからなくてだから余計に高まってく。自分にしか分からないことは輝いて見える。けど、似てるけど違う。違うけど似てる。似てる、恋しい。違う、寂しい?

その、恋してる人としてない人で見え方のちがう「似て見える他人」をどうやって表現するんだろう?って気になってた。個人的には麦と亮平を別の役者がやって似て見えたり見えなかったりするのを見てみたかったなーって最初見た時は思ったんだけど。もっかい見てみると、同じ顔なのにちがうってなる方で見れてよかった。でもやっぱり春代が整形してるくだりもあるし、顔についての話しだよなー。そのへんもう少し意識させる作りにして欲しかった。前見たときはそういう原作との違いが気になってあんまりだったけど、もっかい見るともう少し心情に寄せて見れて思ったより悪くなかった。

あと濱口監督のなんていうか、生っぽい感じ、やっぱりあんまり好きじゃないなと思った。笑
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