独特の世界観を持つ作品。原作がそう思わせるのか。それとも監督の力量なのか。まあ、確かに本作と似たような作品もあるが、主人公が言語学者だったり、異星人が使う文字の異質さはホント ビックリ。難解な点が多くあり、解消するため原作を読んでみた。いつもながらの映画鑑賞後の原作読みに走ってしまった。
(以下はネタバレ含み)
原作がこれまた難解で。フェルマーの原理や未来既知に対する自由意思あたりは詳しく出てくる。そして、娘の生い立ちとヘプタポッドたちとの交流は交互に表記される。この配置の仕方は、見事である。と言ったものの、熟読すれば、もっと良さがわかるかも知れない。
でも映画で出て来た、3000年後の件や中国の軍事行動、その取止めの件は原作では出て来ない。これらのインパクトがある表現で、エンタメ性を付加しようとしているのでは？原作を読むと、その重厚さに対して、これらは何か浅はかって、後追いで思ったが。
映画での、この宇宙船内部の造形やヘプタポッドとのやり取りは、あまりに印象的で、もう一度観てみたい。もう一度見れば評価も変わってくるのか？どうなんだろう？
