かけなかった言葉、聞き逃した声、採らなかった選択…。今は過去の選択の結果だし、今の選択は未来の結果だし、未来の過去は今。
「彼ら」の言葉(文字)が「円」なのは一つのメタファー。
別に「ちゃんと選択しろ」とか「運命を受け容れろ」とか「人間は分かり合える」とか、そんな薄っぺらな説教臭い話ではなくて、ただ何かを感じ取って動くこと。
メッセージは感じて受け取るもの。その意味でこの邦題はダメで、やっぱり原題の『ARRIVAL』がしっくりくる…。
『2001年宇宙の旅』や『インターステラー』同様、SFのフォーマットを借りた哲学映画の名作。やっぱりヴィルヌーヴ監督は天才。