白熊のヨゥ

アントマン&ワスプの白熊のヨゥのレビュー・感想・評価

アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)
4.5
 最小のヒーロー「アントマン」を主役にした映画の続編である本作では、前作ラストでお披露目だけされた「ワスプ」も登場し、お話とアクションを更に盛り上げてくれています。前作において子供部屋や、自宅の庭などを舞台にして「日常風景」をスペクタクルしていたのに対して、本作では悪党とのカーチェイスなども満載で「アクション映画におけるお約束」を多く描きつつ、そのお約束を実にアントマンらしく調理している点も素晴らしいですね。

 物語としては、「ミクロの世界で母をたずねて三千里」といった雰囲気で、前作で語られたジャネットと、彼女の救出に奮闘するピム親子が中心にありつつ、「シビル・ウォー」以降大っぴらに動けずにいたスコットも彼らを助けるために戦うわけですが、ピム一家とスコットの他にももう一組親子関係が描かれており、3つの家族が過酷な状況にどう立ち向かうのかが見どころと言えるでしょう。

 前作でも特徴的だったコメディの部分も健在で、特に本作はシリアスなシーンとコミカルなシーンが見事に噛み合った最高級の「シリアスな笑い」を提供してくれていて、そういうところでは思いっきり笑える一方、状況も関係も違う3つの家族がお互いに影響を与えていく様子には少し涙が出たりしました。公開時当時以降、今回初めて見返したのですが、かなりよくまとまった映画だと思いました。