「エンドゲーム」において、ある重大な決断をしたブラックウィドウのミッシングリンク、そして彼女のオリジンに触れた本作は、過去の清算、家族の再生をテーマに置き、最後の決断に至るまでの心境を理解しうる材料を与えてくれています。
ナターシャ・ロマノフとその非凡な家族は、一人一人の個性がアベンジャーズ並に強烈で、そこから生まれるユーモアも実にMCUらしく、公開当時はコロナ禍で息苦しい時期だったこともあり「映画館に帰ってきた!」という実感が湧いたものです。
展開自体はスパイ映画の王道的をなぞっているものの、数々の先駆者に対するリスペクトが感じられ、スパイ映画というジャンルをスーパーヒーロー映画の世界観に組み込んだ魅力的な映画といえるのではないでしょうか。