白熊のヨゥ

ポーラー 狙われた暗殺者の白熊のヨゥのレビュー・感想・評価

ポーラー 狙われた暗殺者(2019年製作の映画)
3.7
 深い罪悪感を抱える引退寸前の暗殺者という題材自体は面白いですし。マッツ・ミケルセンやヒロインを演じるヴァネッサ・ハジェンズの演技も素晴らしく、彼らを取り巻くストーリーやアクションシーンも決して悪くはないです。
 ただ、コミックを原作にしている影響でそちらを意識した画作りがされているせいか、エログロ描写がかなり過激で人を選ぶかもしれませんし、コミックから飛び出したような荒唐無稽な描写は面白いのですが、強烈なグロのせいでストーリー性が霞んでしまう印象も受けました。
 例えば、セクシャルな描写を減らして、もう少し主人公とヒロインの関係性を掘り下げるとか、殺し屋としてのかつての仕事や人間関係を描写すれば、物語としても良い補完になったのかもしれませんね。
 総評としては世界観含め面白いのですが、ストーリー重視の「レオン」にもアクション重視の「ジョン・ウィック」にもなれなかったという感じでしょうか。これを独自性と捉えるか中途半端と捉えるかでかなり評価が変わってきそうです。