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戦場からのラブレターののんchanのレビュー・感想・評価

戦場からのラブレター(2014年製作の映画)
3.9
イギリスの女性作家で平和主義者でもあるヴェラ・ブリテンの自叙伝を基に第一次世界大戦に翻弄された人々を描いたドラマ。

中流階級で育ったヴェラ(アシリア・ヴィキャンデル)はオックスフォード大へ通っている弟エドワード(タロン・エガートン)と仲が良く、エドワードの親友ヴィクター(コリン・モーガン)から思いを寄せられていた。
時代は女性に教養を求めていなかったが、ヴェラは作家になる夢があり、文学を学ぶためオックスフォード大へ進学を希望していた。父親は文学よりピアノを学べとうるかさった。そんな口論中にエドワードの親友のローランド(キット・ハリントン)が訪ねて来る。ヴェラの夢に共感し背中を押してくれた。彼の母親は人気作家で自身も作家になりたいという夢を持っていた。2人はお互いに将来を意識する関係となる。

世の中は第一次世界大戦の開戦が迫っていた…
弟たちもそれぞれ志願する。
しばらくして優秀なローランドは前線への転属を申し出、ヴェラは学問どころでなくなり、大学を休学して看護婦として戦地に赴く。
そこは想像以上に過酷な現場だった。
戦地では心の病になってもおかしくない状況。一時帰国したローランドは心に闇を抱えているようだったが、ヴェラにプロポーズし、次のクリスマス休暇で帰った時に結婚することになった。
結婚式当日、ローランドを待つだけの美しい花嫁ヴェラと家族たち。
そこへ掛かってきた1本の電話がローランドの戦死を告げる。
彼の遺品が届けられ、その中から自分への手紙を見つけたヴェラは泣き崩れる。
しかし戦争は終わらず、すぐに戦地へと戻るヴェラ。そこへ負傷兵としてヴィクターが運ばれてくるが還らぬ人となる。大切な仲間が次々と亡くなる。どうしても弟のそばにいたいと考えたヴェラは前線の一歩後ろの野外病院へ移る。
そこではまさかの敵のドイツ兵を手当てすることに...劣悪な環境、足りない医療品…
そしてある日、エドワードが運ばれてくる。会うことが叶ったエドワードだったが、とうとう命を落としてしまう。
ヴェラは大学に復学するがPTSDに苦しんだ。


ヴェラの自叙伝は大ベストセラーになった。
しかし、それでも世界はまた第二次世界大戦を始めた。
第一次世界大戦以上に進化した兵器の為により犠牲者も多くなるのだった。
戦争の無意味さ、家族の絆、女性の自立を描いている。

日本未公開だったが、アリシア・ヴィキャンデルの容姿はもちろん、心根を持つ気丈な女性を演じるに才能が傑出していた。
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