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破門 ふたりのヤクビョーガミのTSのレビュー・感想・評価

3.0
【詐欺師を追って】70点
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監督:小林聖太郎
製作国:日本
ジャンル:極道
収録時間:120分
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2017年劇場鑑賞11本目。
思っていたより面白かったです。極道ものはほぼ見たことがありませんでしたので、駆け引きあたりがやや難解でしたが、ナニワ独特の達者な関西弁を聞けたので心地よかったです(笑)よくもまああんなにペラペラと恐ろしい文言を言えること。序盤から中盤にかけてがピークだと思います。後半は失速したような気もしますがそれは後述。

経営コンサルタントの二宮の元に、映画出資の話が舞い込む。しかし、映画プロデューサーの小清水は出資金を持ち出し逃走するのだが。。

原作あるんですね。未読。読んでいなくても話はわかりますが、ヤクザの世界の話なので駆け引きなどの展開はやや早め。京都出身の佐々木蔵之介は流石の関西弁を披露し、聞いていて飽きが来ませんでした。というか今作の俳優陣はほとんどが関西出身ですね。道理で自然な関西弁だなと思いました。
タイトルの破門とは、その組織から追放されるというヤクザ界の用語でもありますが、元々は仏教やキリスト教から派生した概念であります。グレゴリウス7世がインノケンティウス4世を破門にしたカノッサの屈辱などは世界史においても有名であります。

今作はヤクザの緊張感あるやり取りや、小清水を追ってマカオに行くシーンが見所であり、随所に笑えるところもあるので娯楽映画としては一定の水準にあると思います。佐々木蔵之介演じる桑原の勢いぶりは良くて爽快なのですが、逆にカタギである二宮が鈍すぎて若干イライラします。特に終盤の、車での決断シーンは長すぎるので要らないと感じました。まあ確かにヤクザの勢いにカタギがすぐ順応出来るはずもないですが、映画的に言うと彼の各所における決断シーンはテンポが遅くなる原因となったと思います。
また、小清水がしつこすぎ。両足を刺されて殺されるかもしれないという恐怖を桑原に叩き込まれているのに、最後の最後まで人を騙そうとする図太い神経。で、結局この小清水を真に懲らしめるシーンがないまま映画は終了してしまうのであまりカタルシスを感じられない。このあたりは不完全燃焼かなと思いました。

あと、北川景子演じる従姉妹の悠起が全然要らない存在であります(笑) ただ、北川景子を出しておけば劇場に足を運ぶ人が増えるだろうというくらいの魂胆にしか見えませんでした。しかしまあ北川景子は美しい(笑)というか彼女は劇中何度もお見合いにいくという会話をするのですが、普通のお見合いに北川景子レベルの人なんて来たら取り合いになるでしょうね。。

二蝶会と対立する滝沢組の覇気も相当なものでしたし、見ていて面白い作品ではありましたが、主人公が鈍感すぎたしそもそも何故こんな簡単に騙されたのかとか思うと疑問に思えてきまして、スコアはこれくらいですかね。とにかく佐々木蔵之介がいなかったら面白くなかった作品と言えました。
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