えっ?ハッピーエンド???
ハッピーなエンド???
そんな疑問符が点滅しまくる作品。それでもかの「ファニーゲーム」を作ったミヒャエルハネケ監督なので納得できる。
本作はエヴという少女がある事件をきっかけに離婚して離れ離れになっていた父親トムと暮らすところから始まる。
エヴが住むことになったのは、祖父ジョルジュが3世代で住む大邸宅。
エヴとジョルジュにはある秘密があるというお話。
冒頭から早速嫌な感じが漂う。
エヴがSNSに投稿している動画が流れ続けるのだけれど、その内容がなかなかきつい。
映画の冒頭としてはめちゃくちゃ好きなタイプで、しかもタイトルバックもシンプルだけどかっこよかった。
SNS動画から始まる冒頭から繋がるように今度は建設現場の監視カメラ映像というのも面白い。
ここまで来て本作がSNSなどによって切り取られた閉鎖的な世界と現実世界でのコミュニケーションというのがテーマなのかなあと感じた。
それを示唆するようにエヴとジョルジュだけでなく、その他の登場人物にも何らかの事情があり、しかもそれが他人とのコミュニケーションが適切に出来ていないことでより深刻化しているし、登場人物の誰もが孤独であるように見えた。
あくまでフィクションなんだけれど、今の時代の個人主義感や孤独感が感じられるように作ってあって、そういうところも良かった。家族であってもコミュニケーションが不足しているというのは本当にそうだし。
本作が迎えるラストもエヴが取った行動もなかなか闇深い。監督はなぜ本作に「ハッピーエンド」というタイトルを付けたのか……。それが僕にはわからなかったけれど、確実に言えるのは、朝の8時に観るような映画ではないことかな。
以下は個人的なメモ
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スマホを通して切り取られた世界。現実?虚構?
SNS投稿
「さっきえさに薬を入れた。ママのうつ病の薬」
冒頭、スマホの画面のみで進行
「人を静かにさせるって簡単」
「銃を調達してくれ。弾もだ」
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