TAKU

フリーキッチンのTAKUのレビュー・感想・評価

フリーキッチン(2013年製作の映画)
3.5
Filmarks内で話題の食人族映画『グリーン・インフェルノ』と同日公開された日本の食人映画を観てきた。面白かった。

内容は郊外に住む母子。母親は夫とその愛人を殺害し「調理」して以来、人を殺しては毎日人肉料理を食卓に出すようになった。息子も人肉ばかり食べているうちに、食べただけで性別や年齢がわかるようになってしまった。そんな日々の中で、息子がペットショップで働く女性に惹かれはじめたことから母子の関係に変化が訪れる。

本作はジャンル映画的な方向へは振り切らず、親離れできない気弱な青年がある女性と出会って自分の異様性に嫌悪し成長しようとする青春映画に仕上がっていた。グロ描写は少ないが、母親が肉を調達する過程は丁寧に描かれていた。とりわけ、訪問販売員の女性が意識のある状態で殺害・解体される場面は、直接的な描写がないにも関わらず、「こんな目には遭いたくない」というような胸糞悪さがあった。そういった場面があるかないかで説得力は違ってくる。
また、淡々としたタッチの中に挟み込まれるブラックなユーモアはなかなか小粋。

親子で人肉食を行うジム・ミックルの『肉』のように、最後は子が親を乗り越え巣立っていくだろうと思っていたら、その予想を裏切るどきついユーモアと残酷さに満ちたラストシーンには素直にハッとさせられた。ありきたりな展開を鮮やかに裏切ってみせる演出には感服した。

土日の休日は、『グリーン・インフェルノ』と本作のカニバル2本立てで観てみるのも良いかもしれない。