映画ネズミです。1週間ぶりにFilmarksに帰ってきたら、すっかり『ダンケルク』祭りになっていてビックリ!ということで、ひとりでひっそりやります「トム・クルーズ祭り」。第6弾は、あの映画の続編でございます。
ネズミの感想はこんな感じです:
① 「この映画、アレらしいよ」で避けるんじゃない!
② でもやっぱり「アレ」なのは否めん!by『アウトロー』好き
③ トム・クルーズは安定のカッコよさ!
④ ところで、コビー・スマルダーズって女優さん、知ってます?
この映画はこういう人に向いています:
① トム・クルーズが好きな人
② コビー・スマルダーズが好きな人
③ 『アウトロー』が好きじゃない人
④ 「ハリウッド製のアクション映画」を見たい人
この映画はこういう人には不向きです:『アウトロー』が大好きな人!
こういう映画を見てると、「結局アメリカって西部劇の国なんだな」と思ってしまいますね。日本映画も、最近のマンガの実写化も含めて、結局どこか「時代劇」の要素を取り入れていることが多いのと似ているかもしれません。その土地に根ざした映画がやっぱりつくりやすいんでしょうね。
今回は、西部劇風流れ者アクション映画の近年の傑作として、『ドライヴ』と並び称せられる立ち位置を確立したと言ってもいい、『アウトロー』の続編でございます。ちなみに、「みんなのハスミン」こと俳優の伊藤英明さんもこの映画大好きだそうで。さすが!
前作に引き続き、今回も軍人がらみのお話ですが、前作があまりにも草の根の「わるいひと」的だったのに対し(それにしてはヴェルナー・ヘルツォークとかコワモテがいたけど)、より陰謀的なところが強くなっています。
また、前作がリチャード・ジェンキンス、ロバート・デュバル、ヴェルナー・ヘルツォーク(2回目)といった、超重量級のおじいちゃんを多数取り揃えていたのに対し、本作は将軍役からメインのヒロインであるターナー少佐まで、最近活躍する俳優さんがほとんどです。ですから見た目も、最近の映画っぽくなりました。
今回の共演はコビー・スマルダーズ。知ってます?
カナダ出身でモデルをしていた人で、テレビシリーズで身を立ててきた人だそうですが、『アベンジャーズ』のマリア・ヒル役で一気に有名になりました。ニック・フューリーの横にいたスラッとした女の人です(ちなみにネズミがシールドの中でいちばん好きになった人です←聞いてない)。
ということで、冷徹な鬼嫁ロザムンド・パイクから一転、今回は熱血お嬢様風の戦うヒロインとなりました(軍人役&吹き替えが吸引力の変わらない本田貴子さんですからね)。
戦うヒロインですので、当然、吸引力の変わらない掃除機のように戦いまくります。肉を叩くハンマーで敵に殴りかかったり、殺し屋を絞め殺したり、階段の手すりを使って武器にしたり、「工夫屋さん」なところがよかったですね。
監督はエドワード・ズウィック。宇多丸さんもおっしゃっていましたが、この人の映画はあんまり引っかからないんですよね……最近では『ラスト・サムライ』『ブラッド・ダイヤモンド』『ディファイアンス』『完全なるチェックメイト』……悪い映画じゃないけど、どれも「傑作!」とはならない感じで(※個人の感想です。)。この人の演出は、良くも悪くも普通で、印象に残らないんですよね。印象に残らないということは、それなりの仕事はしているんですけど、前作でいえば車屋の店員としゃべる場面のような、突出したところもないというか。
そもそも、前作のクリストファー・マッカリーは、最高級の牛肉を渡されて「これで何か作って」と言われて、牛肉のたたきを作っちゃうような人だったのに、ただ普通にステーキにするだけなんて、こんな意外性のない映画じゃがっかりですよ(わかりづらい例え)。
あえて具体的に言うなら、この人の演出は、「タメ」がないんですよね……クリストファー・マッカリーの演出にはじれったいぐらいの「タメ」があって、それが前作の大きな魅力になっていたと思うんです。静かな場面で、見ているこちらが不安になるくらいの「タメ」。それが同時に笑いにもつながるわけですが、そうした演出は、本作にはまったくありません。
撮影監督はオリバー・ウッドで、『ボーン』シリーズの人です。あれ?ジャック・リーチャーのシリーズは、70年代風のアクション映画じゃないの?と思うわけですが、ぶっちゃけ編集も、2000年代前半風の細かいカット割りです。これじゃアクション全然見えない! まるでトニー・スコットの映画じゃないか! しかも、夜景もぜんっぜん色っぽくない。ジャック・リーチャーのシリーズとしてはこれは完全に「アウト~!」ですよ。
ということで、監督には、「2000年代前半風のアクション映画にはNEVER GO BACK(もう戻っちゃダメ)」と言いたいです。
もちろん、トム・クルーズは安定のカッコよさ。車で尾行しているゴロツキを秒速で制圧して、「オレを追ってくるんじゃねえ!(不正確な訳)」と言うところも良かったし、相変わらず銃撃戦でのライフルの構え方は惚れ惚れするほど美しいし。
ほかにも、途中で出会ったある女の子を「あなたの娘よ」と言われて、『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』のハリソン・フォード顔負けの「( ¨ ) エッ・・・」な表情を浮かべるトムも見られます。
序盤に、保安官とダイナーでやりとりする場面は、前作のジャック・リーチャーのキャラをきっちり活かしていましたね。
また、ラスボスとの格闘シーンで、「体のあちこちを折っていく」ところは、前作にあった痛そうなアクションという要素をキッチリ引き継いでいてよかったですね。
ということで、悪口多めになっちゃいましたが、前作『アウトロー』のスタイルに惚れ込んだ人じゃなければ、十分に楽しめる、ちょうどいい1作ですよ!というか、「アレらしいよ」でこの映画を避けないで!
m9っ`Д´) ビシッ!!
個人的には、ジャック・リーチャーのシリーズ、懲りずに3作目も作ってもらいたいです!
『ラスト・サムライ』
日本で鬼のように流行ったトム&エドワード・ズウィックのコンビ作。ケン・ワタナベを世界的に有名にしました。今回見直しましたが、さすがの演技力でしたね。ただ、ホワイトウォッシングだのPCだのにうるさい今のご時世では、できなかったかも……日本版『ダンス・ウィズ・ウルブス』。
『悪の教典』
「みんなのハスミン」のネタ元。仙崎大輔は海上保安官になる前に高校教師をやっていたのだ!という事実が明らかになる学園ドラマです。高校生が伊藤英明相手にかくれんぼをする、ひと夏の思い出映画です(雑なデマ)。
『遠すぎた橋』
『ダンケルク』の話を聞いて、「連合軍が勝たない戦争映画」で思い出したのがコレ。長かったですね……。『ダンケルク』見に行こうと思います。