ユンファ

キングスマン:ゴールデン・サークルのユンファのレビュー・感想・評価

4.6
マシュー・ヴォーンという監督の特徴は、作品に内在する主題よりも、表面的なテンションの高さや楽しさ、かっこよさを優先するところにあるのではないかと思う。
あの人が復活したり、あの人が唐突に亡くなったりするのも、全ては映画を盛り上げるため。
決して主題がないわけではない。
今回は、不在の穴をいかにして埋めるか、そして失われた穴は決して完璧に元には戻らない、という主題が名曲「カントリー・ロード」を使ったり、無駄にハル・ベリーを起用したりして描かれる。
けれど、「穴を埋める」という主題自体が、劇中何が起きようとも観客を楽しませ続けるということの表明に他ならない。
大切なテーマやメッセージを伝えることだけが、優れた映画の条件ではない。
三代目ジェームズ・ボンドへの敬意を隠さず、母国を誰よりも愛し、アメリカを小馬鹿にし続けるヴォーンが、僕はやっぱり大好きだ。
ユンファ

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